手作り石けんにおける脂肪酸組成を先日アップしました。不飽和脂肪酸の方が比較的参加しずらい脂肪酸だという事がわかったかと思います。
そして酸化安定性についての指標となるものがもう一つあります。
それはヨウ素価というものです。
今回はそのヨウ素価と植物油脂に含まれる不鹸化物についてみていきたいと思います!
目次
- 1 手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:植物油脂に数%含まれる物
- 2 手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:植物油脂の不鹸化物について
- 3 手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:石けん作りにおけるヨウ素価の働きとは?
- 4 手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:【植物油脂】ヨウ素価の数でわかる不飽和脂肪酸か飽和脂肪酸か
- 5 手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:乾性油・半乾性油・不乾性油とは
- 6 手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:まとめ
手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:植物油脂に数%含まれる物
不鹸化物とは?
鹸化率を100%にして石けんを作ったとしてもどうしても石けんになれない物質の事です。
(鹸化率の説明はこちら→★★★)
植物油脂には一般的には1.5%位までで多くても3%以下。
ですがこめ油だけは別格でで5%位含まれています。
油脂上の性質を作用するまではいかないようですが、手作り石けん作りではこの不鹸化物の働きにより使用感やトレースの出方などが飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の数値だけで考えたものと違いが出てきます。
手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:植物油脂の不鹸化物について
代表的な不鹸化物
・植物ステロール
・炭化水素(スクワレンなど)
・ビタミン類(トコフェロール・トコトリエノール・カロテノイドなど) など・・・
そしてコレステロールも不鹸化物の一つではあります。
手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:石けん作りにおけるヨウ素価の働きとは?
油脂のヨウ素価とは【二重結合の有無!】
・油脂100gに対して付加が可能なヨウ素(I₂)のg数
私も科学系の学校を出ているわけではないので弱い分野ではありますがもう少し詳しく見ていくと・・・
ヨウ素のg数とはどんなものか?
・油脂100gに反応するハロゲン量をヨウ素の数に換算!!
・ハロゲンはC=Cに結合する!(要は二重結合があればハロゲンが結合する!)
ハロゲンとは?(第17族元素)
①フッ素 ②塩素 ③臭素 ④ヨウ素
上記の他にハロゲンの分類とされているアスタチン・テネシンがあるとのことですがいろいろ不明なことが多いらしいです。
手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:【植物油脂】ヨウ素価の数でわかる不飽和脂肪酸か飽和脂肪酸か
さて上記でヨウ素価とは何かをご理解いただけたでしょうか。この項目ではそのヨウ素価の数で油脂はさらに分類されていきますので詳しく見ていきましょう!
【ヨウ素価】不飽和脂肪酸の数
二重結合があるものが不飽和脂肪酸でしたよね。(飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸→★★★)
このヨウ素価は二重結合の部分にのみ付加できるのでこの付加した数量により油脂は以下の3つに分類されます。
【乾性油】【半乾性油】【不乾性油】
結論から申し上げれば以下の順で不飽和脂肪酸の数が多くなります。
乾性油 > 半乾性油 > 不乾性油
乾性油 | 半乾性油 | 不乾性油 | |
不飽和脂肪酸の数 | 多い 酸化安定性悪い |
乾性油と 不乾性油の間 |
少ない 酸化安定性良い |
油脂の状態 | 液体 | 120~90 | 固体 |
ヨウ素価 | 130以上 | 130~100 | 100以下 |
手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:乾性油・半乾性油・不乾性油とは
さて次に使用したいオイルは乾性油・半乾性油・不乾性油どこに分来されるかを見ていきたいと思います!
乾性油の種類【ヨウ素価130以上・酸化安定性悪い】
乾性油とは・・・空気中において一度固まった場合、物質自体が変化され再度溶かせないのが特徴
例えば魚の油や油絵の具は一度脂が固まると温めても溶けなくなりますよね。そんな油脂たちです。
・ハイオレックひまわり油
・ウォールナッツ油(クルミ油)
・グレープシードオイル
・ククイナッツ油
・月見草油
・ハイリノールひまわり油
・ハイリノールベニバナ油
等
半乾性油の種類【ヨウ素価130~100】
半乾性油とは・・・
空気中での流動性は無くなるものの完全には固まらいオイルたち
・ハイオレックひまわり油
・アーモンド油
・ごま油
・小麦胚芽油(ウィートジャムオイル)
・こめ油
・コーン油
・大豆油
・菜種油
・綿実油
等・・・
不乾性油の種類【ヨウ素価100以下・酸化安定性良い】
不乾性油とは・・・
空気中においてはほとんど固まらないオイルたち
【植物性油脂】
・アボカドオイル
・オリーブオイル
・ココナッツオイル
・椿油
・パームオイル
・パーム核油
・ひまし油(キャスターオイル)
・ピーナッツ油
・ヘーゼルナッツ油
・マカデミアナッツ油
【動物性油脂】
・牛脂
・ラード
など
手作り石けんにおける不鹸化物とは?ヨウ素価の不乾性油と乾性油にいて:まとめ
今回は手作り石けん作りにおいて知っておいた方が役に立つオイルの性質についてみていきました。
ちょっとややこしい内容でしたが手作り石けん作りにおいて知っておいた方がいい知識の一つです。
ヨウ素価の求め方とかもありますがご自宅で手作り石けん作りを楽しむ場合には大まかなくくりがわかっていれば十分楽しめます。
そして脂肪酸組成(飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸)とこのヨウ素価(乾性油・半乾性油・不乾性油)を抑えてオリジナルレシピを組めるようになればもしかしたら今回のレシピは酸化が早いかもしれないなぁーとかの一つの目安になります。
ただオイル以外のオプションにより酸化の速度が加速される場合もありますので酸化されやすいオプションについてもまたご紹介していけたらと思います。
今回も最後までご覧いただきましてありがとうございました!