手作り石けん苛性ソーダ・苛性カリ

苛性ソーダの計算式と鹸化率《けん化価とアルカリの計算方法①》

2020年2月21日

苛性ソーダの使用量は使用するオイルによって毎回変わりますのでその鹸化率(アルカリ)計算方法をお伝えいたします。

鹸化率って言葉は普段の生活ですと聞きなれないですよね。ですので、言葉の説明と鹸化率とアルカリの計算方法を順番にご紹介していきますね。

正直アルカリ(苛性ソーダ)の計算をしなくても初めは、いろいろ出版されている手作り石鹸の本の分量通りに作ればOKですが、手作り石鹸のメリットは、自分好みのオイル配合で作れることです。

ですのでせっかくなら、アルカリ(苛性ソーダ)の計算方法をしっかりと覚えてオリジナルの石鹸を作れるようにしませんか?


苛性ソーダの計算式と鹸化率《けん化価とアルカリの計算方法①》:手作り石鹸づくりの鹸化(けんか)とは何?

鹸化(けんか)って言葉そもそも日常的にはほとんど使用しませんよね。
ですので難しい説明をすると石鹸づくりって化学もわからないと作ることができないの!?
と思われてしまいそうですので、イメージしやすく簡単に説明をします。

まず、石鹸づくりでいう鹸化とは
《石けんにしていく為の化学反応》のことを言っています。

【油脂(エステル)】+【苛性ソーダor苛性カリ(アルカリ)】

↓《鹸化反応》

【石鹸(高級脂肪酸のナトリウム塩)】+【グリセリン】
になることです。

 

*苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)はおもに固形石鹸を作るときに使用するアルカリ
*苛性カリ(水酸化カリウム)は主に液体石鹸の素などを作るときに使用するアルカリ

ほら、簡単ですよね!

実をいうと理系出身ではないので私自身もこういった化学式は得意ではありません。
突っ込まれてしまうと答えられなくなるので、化学式に関しては他の方が詳しく書いてくれているページが沢山ありましたので、お任せすることにします。

このサイトは石けん作りを楽しんで作ってもらい、使用してもらうためのサイトですので上記で説明している超簡単な鹸化反応を頭に入れて作っていってもらえれば初めは良いと思います!

興味が出てきたら化学式も勉強してみてくださいね!


苛性ソーダの計算式と鹸化率《けん化価とアルカリの計算方法①》:手作り石鹸づくりの鹸化価の求め方!

鹸化(けんか)は石けんになるための化学反応のことでしたが、次に知っておいていただきたいことは鹸化価(けんかか)という言葉です。

鹸化化とは油脂1000gにおてい鹸化していくのに必要なアルカリ《苛性カリ(水酸化カリウム)》の比率のことです。

そしてこの比率は油脂ごとにそれぞれ違うという事がポイントです!
尚且つ、同じオリーブオイルだったとしてもメーカーにより違いがありますし、通常お店などで売られているオイルには鹸化価の数値は記載されていません。

ですので手作り石鹸においてそういった鹸化価の数値が書かれていないオイルの場合は、本などを参考にして同じオイルの鹸化価を目安にしてせっけんを作っていきます。

ですので100%石鹸にしないでディスカウントして作成していきます。
(ティスカウントについては次の項目で!)

よく、石鹸の材料や道具を売っているお店の通販サイトにはけん化価の数字が記載されていますのでその数値をもとにして必要なアルカリの量を計算していきますが、この数値は苛性カリ(水酸化カリウム)での数値で表すことが一般的とのことです。

ですので苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の使用の際には数値を換算していきますが、すでに科学者の方々による決まった数値が導かれてます。

苛性ソーダを使用する場合には、調べた鹸化価の数値に下記の数値をかけます。
0.173(40.4/56.1)です。

例えば鹸化価《258》のオイルだった場合
258×(0.173)=183.954と求められます。
苛性ソーダ使用の石鹸時は183.954を使用してアルカリの量を求めていきます。


苛性ソーダの計算式と鹸化率《けん化価とアルカリの計算方法①》:手作り石鹸の必要な苛性ソーダ計算方法とは?

さて、上記で鹸化価の数値の出し方をご説明しましたのでいよいよ苛性ソーダ(アルカリ)の使用量の計算方法をみていきましょう!

計算結果は同じになるのですが、アルカリ(苛性ソーダ)の計算方法はいくつかやり方があります。
まずは上記で求めた鹸化価の数値を使用するやり方を今回は見ていきます。

苛性ソーダ計算方法

基本式は
《オイルの分量》×《鹸化価》×《0.713》÷1000=苛性ソーダの分量(g)

マルセイユ石鹸を例にとってみていきましょう。
250gバッチのマルセイユ石鹸の使用オイルは
オリーブオイル(72%)180g
ココナッツオイル(18%)45g
パームオイル(10%)25g

オイルはそれぞれ一つずつ計算をして出していきます。【小数点第一を四捨五入します】
【オリーブオイル】180×(190.6×0.713)÷1000=24.461604と出てきますが小数点第一位までをまずは記載します。ので【24.4】となります。
【ココナッツオイル】45×(258×0.713)÷1000=【8.2】
【パームオイル】25×(203×0.713)÷1000=【
3.6】

次に【小数点第一を四捨五入します】
オリーブオイル【24】
ココナッツオイル【8】
パームオイル【4】
となります。

この数値をすべて足していきます。
24+8+4=36 となりますがこの分量をすべて加えるわけではありません!

上記はオイル総量を100%石鹸すべて石けんにするときに必要な苛性ソーダの量となりますので、手作り石鹸はここから必ずディスカウントして作っていきますので鹸化率とディスカウントについてみていきましょう!


苛性ソーダの計算式と鹸化率《けん化価とアルカリの計算方法①》:手作り石鹸づくりの《鹸化率》と《ディスカウント》とは?

次に、鹸化率とディスカウントについてです。

鹸化率とは、使用する総オイルのうちどのくらいの割合を石けんにしていくかです。
例えば、鹸化率100%というと使用したオイルをすべて石鹸に変えてしまい保湿成分のグリセリンが生成されていない状態のことです。

この鹸化率100%の石鹸は手作り石鹸では作ることは基本的にはしません。

なぜなら、鹸化価が書かれていないオイルもありますし、その場合は目安の数値で石けんを作っていきますので、100%にした場合、きっちりしたアルカリの量が求められていませんので、アルカリ(苛性ソーダ)が残っている場合も考えられます。

ですので手作り石けんでは安全性とあえて保湿成分を残していくという点から鹸化率85%~95%で作っていきます。

あえて石けんにならない部分を計算していくことをディスカウントと言います。

ディスカウントの目安の割合は5%~15%です。
保湿成分を多くして肌に優しい手作り石鹸を作りたいからと言って好きなだけディスカウントできるというわけではないんです。

ディスカウントが多いと肌には優しい使用感ですがオイルなどがそのまま残っているので酸化しやすい石鹸となってしまいますし溶け崩れの早い石鹸になります。

初めのうちはディスカウント10% 鹸化率90%で作っていくのが作りやすいかと思います。

ですので先ほどのマルセイユ石鹸を鹸化率90%で作る場合を見ていきますと
【オリーブオイル】180×(190.6×0.713)÷1000≠【24】
【ココナッツオイル】45×(258×0.713)÷1000≠【8】
【パームオイル】25×(203×0.713)÷1000≠【4】

24+8+4=36gでしたのでここから10%ディスカウントして鹸化率90%の石鹸を作る場合

36g×0.9(鹸化率90%)=32.4となり小数点第一位を四捨五入しますので
【32g】必要という事になります。

鹸化率95%の時は0.95をかけ、85%の時は0.85を掛けます。

初めは計算がややこしくてわからなくなってしまうこともあるかと思いますが、一度覚えてしまえばそんなに難しいことではないので是非覚えてみてくださいね。

苛性ソーダの計算式と鹸化率《けん化価とアルカリの計算方法①》:まとめ

じつは、もう少し簡単な計算方法もありますので、そちらも見てみてくださいね!
【手作り石鹸】アルカリ(ph)計算方法②とけん化価一覧!

そして、もっと簡単なことを言ってしまえば、アルカリ計算機というのをネット上で検索すると出てきます。

その計算機はオイルを選んでグラムを入力するとなんと自動的に苛性ソーダの使用量を計算してくれるという優れモノなんです!

ですのでわざわざ大変な思いをして計算をしなくても導き出せてしまうんですが、どうやって計算しているのかを理解できていたほうが作る以上いいと思いますので、普段は計算しなくてもこうやって計算してアルカリ(苛性ソーダ)使用量を出しているんだと頭の片隅にいれておくのは悪くないかなと思います。

今回は少しややこしい内容でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました!



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