以前苛性ソーダの購入(買い方)などについては記事にしました。基本的に苛性カリも苛性ソーダの買い方(購入)と変わりはありません。ただし扱っている薬局が少なかったり、取り寄せになることがほとんどですが手順は同じですので、購入方法を知りたい方は苛性ソーダの買い方(購入)をご覧ください。(→苛性ソーダの購入!買い方・処分方法)
今回は液体石けんを作る時の苛性カリの鹸化に必要な計算方法を見ていきます!
目次
苛性カリで作る!液体石鹸作りと苛性カリ(アルカリ)計算方法:苛性カリの用途
石鹸作りにおける苛性ソーダと苛性カリの違いは・・・
簡単にいってしまうと
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は・・・基本は固形の石鹸を作る時に使用します。
苛性カリ(水酸化カリウム)は・・・基本は液体石けんの素を作る時に使用します。
クリームソープを作る場合には苛性ソーダと苛性カリを混ぜて作っていく作り方もありますが、基本は上記の石鹸作りになります。
【苛性カリと苛性ソーダの違い】液体石鹸作り!アルカリ計算方法:苛性カリとは?
苛性カリ(水酸化カリウム)とは?価格は?
苛性カリは・・・
日本薬局方やJIS規格試薬用・食品添加物グレードのものがあります。
苛性カリの基準はすべて一緒で85%以上含有になります。
こちらの苛性カリも購入後にケースを確認すると含有量の記載があります。
そして苛性カリは一般的には苛性ソーダよりもかなり価格(値段)が上がりますし、苛性カリは純度(苛性カリ含有量)が上がると価格も値上がりしていきます!!
苛性カリは500gで1,500円前後から高いところですと2,000円以上してしまいますが、購入する際に価格を聞いても仕入れてみないとわからないといわれることもあります。
特に今はこのコロナの影響もあり不足しているのか通常と違うメーカーから取り寄せることもあるようで値段がわからないようです。
ただ、1度購入してしまえば結構な量の液体せっけんの素を作れますので2,000円くらいは覚悟しておくと価格を言われても驚かないで済みます!
苛性カリで作る!液体石鹸作りと苛性カリ(アルカリ)計算方法:使用するオイルについて
ここで一つ抑えておいていただきたいこと!使用するオイル(植物油脂)についてです。
コールドプロセス製法の手作り石鹸作りにおいてはある程度の鹸化価の数値で作っていって問題ありませんでしたよね。ディスカウントをするので。
ですが、苛性カリを使用した液体せっけんの場合は鹸化価がはっきりとわかっているオイルで石けんを作っていきます。
なぜなら鹸化率0で作っていきますし、苛性カリの方が苛性ソーダよりも敏感に反応するようです。
苛性カリで作る!液体石鹸作りと苛性カリ(アルカリ)計算方法:苛性カリ・水(精製水)・エタノールの計算について
鹸化価や鹸化率については理解しているという点で計算方法を見ていきます。
鹸化価や鹸化率などについてわからない方はこちら
→(コールドプロセス製法の手作り石鹸の鹸化価とアルカリの計算方法)
(手作り石鹸アルカリ計算方法②《苛性ソーダ換算値》使用&まとめ!)
をご覧いただき理解した後に下記をお読みいただくとわかりやすいです!
苛性カリの石鹸《鹸化価・計算方法》①苛性カリ量
苛性カリの液体せっけんは鹸化率100%で作る為ディスカウントの必要はありません。
ただし使用している苛性カリ含有量により計算値が変わりますのでご注意ください!
鹸化価とは・・・
油脂1000gにおてい鹸化するのに必要なアルカリ《苛性カリ(水酸化カリウム)》の比率
ですのでココナッツオイル等を購入した際にそのお店のサイトなどに書かれている鹸化価という数値を苛性ソーダの使用時には0.173を掛けて計算したりしていましたが、苛性カリを使用する液体石鹸作りではそのままの数値で使用できます。
苛性カリ計算式《ディスカウントなし》
1つのオイルの量(g)×鹸化価÷1000=必要な苛性カリの量①【小数点第1位を四捨五入】
1つのオイルの量(g)×鹸化価÷1000=必要な苛性カリの量②【小数点第1位を四捨五入】
※苛性ソーダ同様鹸化価は1油脂000gにおいての数値なので苛性カリ使用時も÷1000は同じになります!
使用するすべてのオイルで必要な苛性カリの量を求めたら、必要な苛性カリ量①と②の数値を足します。
《必要な苛性カリ①+②》×《苛性カリ含有量(%)》
=使用する苛性カリ(g)【小数点以下繰り上げ!!】
苛性カリ含有量は85%のものなら《0.85》、95%のものなら《0.95》を掛けます!
苛性カリの石鹸《鹸化価・計算方法》②水(精製水)量
次に計算していくのが精製水の使用量になります!
使用するオイルの総量をまず求めたら以下の計算方法で求めていきます!
計算式
オイルの総量×オイル総量の半分50%(0.5を掛ける)=使用する精製水量
苛性カリの石鹸《鹸化価・計算方法》②無水エタノール量
次に計算するのが無水エタノールの使用量です。
《基本は30%使用します。レシピにより20%で作ったりと多少変わる場合あります》
エタノールは水・油とも相性が良く溶けます。コールドプロセス製法の石けんは水分と油のみでじっくり作っていきますよね。でも液体石けんの素を作るには一気に鹸化を進ませて作っていきます。
そのためにエタノールを加えていきます!
そしてエタノールはなるべくなら無水エタノールを使用してください。消毒用はアルコール濃度が低いためダメになり易かったりします。
その点を踏まえたうえで消毒用を使用する場合は水分(精製水)とエタノール量が変わりますので初心者の方は無水エタノールを使用することをお勧めいたします!!
ここでは無水エタノールを使用した計算方法です。(消毒用エタノールはまた別の機会に・・・)
無水エタノール量は《ココナッツオイル》の分量により決まります!
ココナッツオイルがオイル総量の30%までは《30%(少なくても20%は使用)》
ココナッツオイルがオイル総量が31%以上は《基本の30%》+追加分《10~15%》
計算式①(ココナッツオイル30%未満で30%エタノール使用時)
オイル総量(g)×エタノール量30%(0.3を掛ける)=使用エタノール量
計算式②(ココナッツオイル31%以上で15%エタノール使用時)
オイル総量(g)×エタノール量30%(0.3を掛ける)=使用エタノール量①
《追加分>
オイル総量(g)×エタノール量15%(0.15を掛ける)=使用エタノール量②
となります。
苛性カリで作る!液体石鹸作りと苛性カリ(アルカリ)計算方法:まとめ
さて、今回は苛性カリを使用した液体石鹸の素を作る際の計算方法をご紹介しました。
少しややこしいですが次回は実際の数値を出しいくつかレシピをご紹介していきたいと思います!
今回も最後までご覧くださいましてありがとうございました!